「出荷本数 × (掛ける)廃棄率」とする。
上記に基づき推定される花の年間廃棄本数(日本国内):
32.5億本 × 30% = 約 9.8億本
(年間7本以上/日本国内一人当たり)
想像以上に廃棄本数が多く、驚いている。仮に廃棄率を1/3の10%にしても3億本以上が捨てられることになる。これでも十分「多過ぎる」と感じてしまう。計算に使用した数字の説明は下記。
出典:農林水産省の作物統計調査「令和2年産花き生産出荷統計(2021-10-20 15:00 確報)」
作況調査(花き):農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kaki/index.html#r
切り花類の他に球根類・鉢物類など統計情報がある。いわゆる”花”、”フラワー”をイメージさせるのは切り花であること、球根・鉢類の数が大きくないことから今回は統計情報の切り花類の出荷量のみを概算に使用する。
また輸入される花・輸出される花の数量の明細は、他の農水省資料に過去のデータの記載はあるものの、令和2年の詳細を見つけることができなかったため、概算ということもあり今回は含めないものとする。推測であることは予め了承いただきたいが、輸入量が10億本以上、輸出が数億本と見られ、国内の流通量は上記32.5億本よりも多くなると考えている。それが正しいとすると、廃棄本数の概算は実数よりも小さくなる、”少なくとも”の数字と言える。
お花屋さんヒアリングと複数のウェブ記事を参照し、平均もしくは若干低いと思われる数値を採用する。40%もしくは50%という情報もあったが、ドライフラワーとして販売するなど店舗の工夫に関する話を伺ったこと、値下げ販売などを店頭でよく見かけることもあり、それらも考慮した。またパーセンテージアップによる本数の増加とそのインパクトのみが印象に残る可能性が高いと考え、厳しめの数字を概算に使用した。
・生物(なまもの)であり、日にちが経つにつれて売り物としての価値が減少してしまう。
・お客様の要望に応えるため、予め多くの数量を花屋が仕入れざるを得ない。
・売り場での見栄えだけでなく、例えば曲がっていたりすると梱包・出荷業務に手間が掛かるため均一な種・個体に選別される。
などが考えられるのではないだろうか。
・廃棄を見越した価格付けをせざるを得ない。
・ゴミとして排出されれば、焼却などするためのコスト(人手、燃料など)が掛かる。
・生産に関しても、余剰分の水や肥料、温室などを使用すれば電気も使用する。
・運搬コストも出荷から廃棄まで掛かっている。
社会全体で SDGs に取り組もうとしている中、これらの影響を過小評価してはいけないのではないかと思う。
上記店舗のドライフラワーの取組みの様に、花の廃棄に関して当事者意識を持って行動されている方も多く、とても共感させられる。
Flower Matter from Irene Purasachit on Vimeo.