答えは、レザーステッチのための穴の数です。
職人さんに聞いたところ、これは4mmの間隔で穴が開けられており、製造されている他の製品の倍(8mm間隔、ポンチの数は半数になる)だそうです。
それだけの数がなければ、美しい曲線は生まれません。
これまで色々なステッキ、杖について勉強させて頂いていますが、曲がりに革を施している製品はあまり見かけません。木や革の個体差も確認しながら、少しずつ呼吸を合わせていく作業が大変だからだと思います。
洗練の曲がり、そこに求められる機能を付け加えるために。
「曲がりのステッキは、ジェントルマンが持つファッションアイテム。」
製品企画時にヒアリングを行った際、この様な認識を多くの方がされていました。しかし、ステッキに求める「握りやすさ」、具体的には、蒸れ、硬さ、冷たさなどに対する機能性を優先した時に、曲がりに革を施した製品が見当たらず、このお洒落に対するこだわりを諦めざるを得ないというのが実際のところだったと推測します。
上記の様な問題に対応すること、GAARUのふたりがよく口にする「品と質の両立」が大切ですが、その開発には工数とリソースが掛かり、なかなか難しいものでした。その様な中、たくさんの方々のアドバイスとサポートがあり、なんとかこの課題をクリアして出来上がった製品が Walking Stick です。
開発以外では未だに色々と思索中ですが、徐々に製品を使って頂ける方が増え、実際に喜んでくださる皆様を拝見して、嬉しい気持ちで一杯です。曲がりにこだわってよかったと思います。
そんな僕たちの想いも、167という数字には詰まっています。