何がそんなに疲れるのか?と思われるかも知れませんので、その検品内容について今日はお話させて頂こうかと思います。GAARUでは検品マニュアルを作成・随時アップデートし、出荷前検品の精度向上に努めています。少し業務的な話なので、私、奥村が実際に作業を行なっている風景を思い浮かべながらお読み頂ければ、少し関心を持って頂けるかなと思います。
主な確認項目は7つです。
なお検品時は必ず手袋を装着し、手の汚れがステッキに付着しない様にしています。但し、革の乾燥を防ぐ為に保湿オイルを塗布した際は、オイルで持ち手が滑りやすくなっている可能性もある為に、素手でオイルの馴染み具合を確かめベタつきが残っていないかを確認しております。またレザーの装着具合を確かめる際も手袋をしていると滑って正確な検品が出来ない可能性があるので、素手でレザーを引っ張り、ズレが生じないかを確認しております。いずれも梱包前には乾いた布で乾拭きしておりますのでご安心下さい。
Walking Stickのレザーカバーには牛革を使用しています。その素材の特性上、扱いには神経を使います。柔らかい素材なので爪や硬いものが当たると擦り傷が入ることがあります。細かい傷がついていないか目視にて確認しています。また革は空気に触れず乾燥すると傷んでしまうことがあります。触った時の感触で張りがなかったりした場合は保湿オイルを塗布しています。昔、試作段階の時に結婚指輪をつけて作業をしていたらレザーカバーを傷付けてしまったことがあり、今では検品作業中などは結婚指輪も含め装飾類は一切身に付けないことにしています。
Walking Stickの特徴である曲がりにぴったりとフィットする様に、通常の革製品よりもピッチが狭くなっているため細かな縫製技術が求められます。その縫製部についても、ステッチがほつれていないか・歪みがないかの確認を目視にて行っています。
表面の傷、刻印されているロゴマークに欠けはないか・レザーカバーにしっかり固定されているかを目視と触診にて確認しています。
天然木(樫)を用いていますので、いくら樫が硬い素材といえども、ぶつけたりすれば傷がつく可能性があります。光に当てて表面を反射させて傷がついていないか、反りがないかを、角度を変えながら、一本一本異なる木目を、じっくりと楽しみながら、検品作業を行っています。
ステッキからカバーが外れないか、写真の様に曲がりの先端部分を下に引っ張り、簡単にズレが生じないかを確認しています。*ご使用される皆様は、大きく力を掛けて引っ張ると、外れてしまう・破損の可能性がありますので、ご自身でカバーの着脱はせずに正しくご使用ください。通常使用する際に問題がないか確認のための工程です。
杖先ゴムの地面とも接地面がすり減っていないか(新品なのでまずあり得ないのですが念には念を。)・ヒビが入っていないかを目視及び触って確認しています。
Walking Stickを出荷する際はステッキを緩衝材で包み、必要に応じて出荷用ダンボールに梱包してお届けしています。その際ゴミ・異物の混入が無いかを、ライトに透かして見たりして確認しています。