起業前後は色んな職人さんに会って、「こんなモノを作りたいんです!」と協力してもらえる方を探し回っていました。製品仕様書などなく、実際製作が可能かもわからない手書きのイラストを持って回っていた時期を今懐かしく思います。ゼロから製品を生み出すことの難しさをその時は実感しましたし、だからこそ生みの喜びも大きかったです。
前置きが長くなりましたが、その中で出会った木工職人の方に久しぶりにお会いさせて頂きました。遅ればせながら会社立ち上げのご報告と、僕がステッキコンシェルジュとして、ステッキの長さ調整を行うために、木(ステッキ・杖)の切り方についてポイントを伺うことができました。
現在、製品を職人さんに一度お戻しして長さ調整をしていますが、長期的な視点で「運送コストやお届け時間の削減努力が必要だ」という考えと「ただお願いするだけでなく、その工程について確り理解しておきたい」という気持ちがあって、お忙しい中お時間を頂きました。そこで、今回学んだことについてポイントを書き残しておきたいと思います。
一般的に木製ステッキであればノコギリで適当な長さにカットして、ご自身で長さ調整を行うことが可能です。GAARUのWalking Stickは一本の木から作っています。そのため木の繊維は縦方向に一定です。長さを調整するためにステッキを切る際は、木の繊維に対して垂直方向に切ることになります。
勿論、杖先までフラットな製品デザインを保ち(製品によっては本体が先に行くにつれて細くなっています、ただゴムを装着するだけでは見た目が美しくありません)、かつ調整後の品質確認のためにも職人さんにお願いするのが一番だと思いますが、そうしたレベルで自分もメンテナンス出来る様に練習を積んでいきます。
繊維に対して垂直方向に切る=繊維を切断していくイメージです。そのために適した形状、ノコ刃の目が細かい横びきと言われるものが良いそうです。ちなみに繊維方向に切るのは繊維に沿って削りとるイメージで、目が荒い縦びきという形状が適しているとされています。
練習してみて実感しましたが、真っ直ぐ(繊維に対して垂直)に切るのは意外と難しかったです。そこで教えて頂いたのが、写真の様にマグネットを付けた木をガイドに添えることです。鉄製のノコギリがピタッと張り付いて切断を補助してくれます。それ以外にもソーガイドと呼ばれる補助具が市販されている様です。
今日習ったこと、忘れないうちに反復練習したいと思います。今回は詳しく書いていませんが、微妙な力の入れ具合、引いたり押したりのスピードで結果も違いそうです。幸い、近くに大きなホームセンターがいくつかあるので、時間がある時にDIYコーナーに通って腕を磨いていきます。
少し自己啓発的な感じもしますが、石の上にも3年、鍛錬あるのみ。しかし何事もまずトライしなければ進まない。そういう気持ちで、ステッキコンシェルジュの道を一歩一歩前進していきます。