そこが当てはまるならとりあえずやってみようというのが今のスタンスで、そんな時に周りから提案が有ったのが冒頭のカードケース。
1番のポイント(=既存製品とは異なるユニークな点)は製品が出来た時のお話にさせて頂くが、自分が会社員だった時にも経験している事で「確かに、そういうのもありだな」と感じている。
「シンプルで、使い易い」、「できる限り、機能や部品を絞り込む」ということにこだわりたい。例えば、パーツが別れているよりも1枚で構成されている方が縫製しない分堅牢性も上がり易いし、作業が少なくなる事で人的なミス(例えば、縫わなくて良い部分まで針を通してしまい、形状が変わってしまう様なケース)も起こりにくくなる。
模造紙で何パターンか試作、それを写真の様にレザーでそれぞれ製作。そうすると、想定していなかった課題、例えば縫製するスペースが足りない、に出くわす。こっちのサンプルでは問題ないが、あっちではそうなってしまう。デザインはいいのになぁ、すごくいいのになぁ・・・と頭を悩ませる。
それで終わっていては意味がないので、再度模造紙に線を引き直す。新しく導入した紙をカットする機械の扱いも大分スムーズになってきた。
その試作を持って千葉から東京を通り越して、神奈川まで毎週通う。「いつも、わざわざ、お疲れ様です」、慣れてきてからかわれているのかと感じる時もある。自分でも笑いそうになる。
並行して他の製品も考える。それぞれの失敗が、少しずつ学びとして、次の製品に活かされてきている。そう勝手に感じているだけかもしれないが。
途中経過を写真でシェアする。「いいね!」と言うがどこまで鵜呑みにするかはその時の気分、体調次第。だから、渡して使ってもらう。そこでやっぱり気付きがある。要するに調子の良い言葉こそ意識しちゃいけない。距離を詰めて、細かい言葉を拾って行く。時々「なんて事言うんだ」と半分キレて反論することもある。その度にしまった!と思い謝る。
良いカタチになってきた、そう思ったら予想以上に工数が上がってしまった。それでコストや使用リソースが増えてしまって、市場のお財布感と乖離ができる。はい、やり直し。
今度は先にマーケットを分析してからやろうか。けど、それだけだと他と似た様な製品になりがち。ジレンマ、というか失敗が毎回ある。
けど、こういう過程が楽しい。「つくること」は楽しい。付き合ってくれる人たちへの感謝を忘れず、あせらず、製品を生み出していきたいと思う。