そんな大イベントをオーガナイズしているのが宮本社長率いるオルタナ系不動産屋”daibeam”と、店長が運営する”わっか”です。ステッキ作りとは無関係の様に思えるお二人ですが、GAARUの活動はこの方々のサポートなしには語れません。今回は前・後編に分けて、これまでの経緯や事業、イベントに関する想いをご紹介したいと思います。
流行りのシェアオフィスやバーチャルオフィスを使えばコストも抑えられるし良いかな?と軽い気持ちで始めた事務所探しでしたが、当初の予想をはるかに超える手間と時間が掛かりました。特に有形のプロダクトを扱うモノづくりベンチャーにとって、上記の様な限られたスペースでの作業は現実的ではなかったからです。
それに気付いてすぐに街の不動産屋さんを訪ねて回りましたが、商用テナントと言われる物件は高額な賃料が発生する場合が多く「スペースはこれ位必要で、僕らの家から通える範囲で、賃料はこれくらいで・・・」というこちらの要望を聞くと渋い顔をされる方がほとんど。
1ヶ月ほど探し回っても良い返事をくださる所がなく途方に暮れていた時に、たまたまネットで見つけた”オルタナ系不動産屋”daibeam。駄目元で飛び込んだのが全ての始まりでした。
勿論リップサービスの部分もあったと思いますが、初対面の反応が他とは全く違っていたことを思い出します。普通は条件の確認から始まる不動産屋さんとのやり取りですが、ここではそんな話がほとんどありませんでした。
最終的にはタイミングやコストの課題から現在の事務所であるアパートの仲介をして頂くのですが、GAARUの二人が「これから求められる事業とは何か」ということを深く考えるきっかけをお二人はいつも与えてくださいます。それにアイデア出しだけでなく最後まで面倒を見てくださる姿勢にはいつも感謝ばかりです。
しかし、これは普通の不動産屋さんでは有り得ないこと、非効率なことです。それが分かっているにも関わらずdaibeamが「オルタナ」を貫く訳について聞いてきました。
daibeam 宮本社長(以下、敬称略):これはオルタナティブの略なんだけど、「商業的な流行や時代の流れにとらわれない普遍的なものを追い求める、アンダーグラウンドな精神を持つ不動産屋さんでありつづけよう」という意味で付けたんだよね。
松本:確かにアングラってわかります(笑)自分で言うのもなんですけど、普通僕らの案件なんて面倒くさくてやらないですよね?
宮本:そうそう「また来たよ」って思った(笑)。内心はすごい嬉しいんだけどね。そういうこだわりのある人たちのお手伝いをすること、他の不動産屋さんがやらないことこそが自分たちがやるべきことだって思ってるよ。
松本:ありがとうございます、僕らがステッキ作りを出来るのもdaibeamさんのおかげですね。でも、そこで気になるのは「なんでそんな考え方が出来るの?」ってことですよ。何か切っ掛けがあったのでしょうか?
松本:それは楽しそうですね!
宮本:そうそう。それで埼玉のある住宅メーカーを訪問した時にそこのオフィスを見てすごい感心させられたんだよ。全面ガラス張りで、家具とか雑貨も置いていて、それがすごくお洒落で。不動産屋の前はアパレル業界に居たこともあって、すごい興味を持ったんだ。何か「不動産屋たるもの」ていう概念を壊されたっていう、衝撃だね。
松本:「不動産屋たるもの」ってなんですか(笑)気になります。
松本:3分くらいで纏めていただけると助かります。
宮本:しょうがないな(笑)まず、不動産屋って値段の高いものを取り扱っているでしょ?だから高級なスーツを着て身なりを整えなきゃいけないし、お客さんが来たら受付で用件を聞いて、応接室で対応するっていうのが礼儀だって考えられているんだよ。お客様を大切にする姿勢はすごく大切なんだけど、自分はここまですることに少し違和感があったんだ。
松本:確かに不動産屋さんのイメージってそんな感じですね。違和感というのは?
宮本:自分の営業としての成功体験を振り返った時に「丁寧な対応をすること」よりも「お客さんとの距離を0にする」ことが大切だって思っていたんだ。言い換えると「お客さんと友達になる」ってことかな。
宮本:そうだよね。その人がどんな人で、どんなことを望んでいるのか理解した上で出来る限りのことをしたいと思って仕事をしてるよ。だから、GAARUのこだわりをお客さんに分かり易く伝えるために、古民家で工房を持つという提案をしてみたんだ。
松本:そうなんですね、そこまで考えられていたとは頭が下がります。そんな話を聞いてしまうと「なんで?」って気になることがいっぱいありますよ。店内で雑貨の販売をしていたり、店舗プロデュースやデザインもされていますよね。
宮本:やっぱりどれだけお客さんとの距離を縮められるか、そのために他がやらないことを追求するってことが全部に共通しているのかな。不動産屋って入りづらいイメージがあるから、雑貨屋さんとして地域の皆様とコミュニケーションを取ってみようと考えたし。場所を提供するまでならどこの不動産屋さんでもするけれど、そこから先のあり方を一緒に考えて店内とかの表現を作り出していくというところまで自分はやりたいと思っている。やっぱり根本的に自分はそういうことが好きなんだろうなと思うよね。
松本:やっぱり”好き”って大切ですね。
宮本:その通り。今の時代って選択肢も多いし、こうあるべきっていう答えがない時代になっていると思うんだけど、だからこそ成功も失敗もやってみなければわからないよね。だからとことんこだわって、自分の信念を貫いていきたいと思ってるよ。そうしてきたからこそ二人を始め、みんなとのつながりがあるんだし。
松本:とても共感させられます。お話を聞いてますます思いましたが、宮本さんのアイデアや考え方にはいつも救われている気がします。今後もアドバイスくださいね。
宮本:こちらこそ、ありがとう。(インタビュー終了)
冒頭の写真でお二人が持っている「ARE YOU READY?」のヤルシェイベントポスターも宮本社長が自らデザインされたものです。無いなら自分で作ってしまおう、変えてしまおうとまず行動を起こされるこの姿勢にいつも関心させられています。また、”距離感0”という言葉がありましたが、これは本当に偽りが無いと感じます。お店を訪れると近隣の方々が絶えずいらしています。私たちにご提案された様な古民家を得意とされるのは、こうした地域の方々とのつながりがあるからこそ出来る事なのかもしれません。ステッキの概念を変えるGAARUに取って、業界は違えど、先を行かれるdaibeamからは多くを学ばせていただいています。取材日もイベントの前ということでお忙しくされている中でしたが、丁寧に受け答えしてくださいました。この場を借りてお礼申し上げます。明日には後編「わっか・ヤルシェ」宮本店長インタビューを掲載予定です。合わせてお読み頂ければ幸いです。(更新状況は、Facebookアカウントでもお知らせしています。フォロー頂ければ幸いです。)
久しぶりにお伺いし、ステッキ・杖の出張販売サービスについて説明させて頂きました。快くフライヤーも設置下さいました。いつも本当にありがとうございます。八千代市・勝田台の近くにお住まいで、製品は見てみたいけどいきなり僕たちを呼ぶのは抵抗があるという方は、ぜひdaibeam さんに話を聞いてみて頂ければと思います。