GAARU の根底にあるのは「他に選択肢がないから、仕方なく使うつまらない道具」ではなく、「誇りに思う、自分だけのパートナー」を贈るということです。思わず他人に自慢したくなるようなものを届けたい、そういうブランドになりたいと思っています。
この画像の様なバリエーションやカスタマイズ性はそのアプローチのひとつでしたが、取捨選択する中で諦めたという経緯がありました。だから Walking Stick に次の展開があるとすれば、そこを加えていくことだと考えています。
大切にしていること
・「ファッションステッキなの?介護用なの?」
・「若者向け?シニア?」
等々、質問を頂くことがありました。ストーリーや会社説明、ブランドの特徴、いろいろあって、分かりづらい、中途半端に見えるのか・・・と反省しています。
問いに対してダイレクトに答えるとすれば「決められていない」んです。聞いてくださった相手の方々に対して釈然としない回答をしていることは僕自身も理解していて、それでも分からない。
これまで色々な人にお会いして想いを語らせていただく中で、プロダクトも、志も、少しずつ固まってきました。今はとにかく色々な可能性を見てみたいし、挑戦したいと思っています。
だから、まずはより多くの人に存在を知ってほしいし、解釈はその人それぞれで良いと考えています。価値やブランドはお客様がつくりあげるもの、僕らはそのプロセスにおける一番のサポーターです。
メーカーが機能面やデザインでのニーズを拾い上げることがすべてじゃない。どれだけ親しみを持っていただけるプロダクトとブランドになれるか。強いて言うならばそれが GAARU の信念です。
それだと誰にも響かない、届かないのかも
僕は、自分が贈り物にしたいステッキを作りました。品のあるデザイン、質の高さが分かるこだわりのステッキが欲しかったんです。それ以上でも、それ以下でもないと改めて思います。
ステッキに限ったことではありませんが、それなりのモノやそこら辺に沢山あるものをあげるくらいなら、プレゼントをしない方が良い。どうせ贈るなら、自分がこだわりを語れるものじゃないと、と僕は思います。だから最も大切だと考えているのは、機能ではなくて”品”なんです。
そして、特に重要視しているミニマル(最小限)さには、いろいろな応用、振れ幅があるのだと思います。例えば、チャーム。GAARU のモノじゃなくても、ずっと使ってきたキーホルダーを付けてもいいんです。「あのお気に入りのやつ、付けときなよ」という会話もそこから生まれるでしょう。利便性などを考えて始めから付属品としてセットすることも出来ますが、あえてしないのはそういった理由からです。
この様な対話や体験を広げていくことを、僕たちは進めていきたい。
今ではなく、この先
例えば、10年後のシニアは今の高齢者とは趣向が異なると思います。分かりやすさよりも、奥ゆかしさが尊重される様になるんじゃないかな。その頃には祖父母だけでなく、親世代にステッキを贈ることもありえるよね。そんなことを考えています。
出来る限りシンプルなプロダクトをつくること。そこに展開があること。贈る方だけでなくその想いを受け取った方も、Walking Stick の良さに気付いて頂ける時代がそこまで来ていると信じています。