誇れるものをつくろう、特にステッキに関してその想いが重要だと思ったのは、実際にステッキを購入することって滅多にないことなんだなと感じたことも大きな理由です。
製品フィードバックをお願いしたあるシニアの方、この人は既に他社さんのステッキを使用されていたのですが、「なぜステッキを使うようになりましたか?」と質問すると、「家にあったから、なんとなく使ってみたら楽だった」とお答えになりました。
「えっ、どうして家にステッキがあったのですか?誰が購入されたのですか?」と質問させて頂くと、「亡くなった母親が使っていたものね」と仰いました。色々な話から推測するに、購入された時期は少なく見積もっても10年以上前だと思います。
よく言えば長持ちする製品、悪く言えば関心が低いモノなのかもしれません。「杖を持つことは恥ずかしい」という位だからしょうがないのかもしれません。一方で「これがないと最近は出かけられない様になった」という事も言うので、今はステッキが必需品であることも間違いありません。ステッキを持たずいきなり転倒されたり、それこそ怪我をするくらいなら使用して欲しいというのが家族の想いです。
話が少し逸れましたが、イメージや出会い方は人それぞれですが、現状ではステッキを購入するということは稀なことの様に思います。「これは百貨店で買ったけど、ほかにどこで売ってる?もうそんな遠出も出来ないしね」という祖母のコメントもありました。ステッキと人の距離はまだまだある様です。
結果、多くの人にとって、ステッキは一生モノとなっているようです。
GAARU は「ステッキを何本も持って欲しい」とは思っていません。「どうせ使うなら、自慢できる様なこだわりのモノを選んでほしい。それを長く大切に、子供に引き継ぐ位の愛情を持って大事にしてほしい」と考えています。だから、一生モノという考え方は良いと思っています。
そこに加えて思うのが、ステッキとの出会いがもっと素晴らしいものであってほしい。そうすれば見方も変わる。長く、大切にしようと思うでしょう。そういう気持ちでみなさんが GAARU と出会うために何をすればいいか。そんなことを考えて、試行錯誤を続けていきたいと思います。